世界中の旅行者を惹きつけてやまないバリ島。
その魅力は世界中でもバリ人だけが信仰するバリヒンドゥー教とその信仰心が作り出す、島全体に流れる空気感ではないでしょうか?
このバリ島にだけ流れる空気が、訪れた人々を魅了し続けている一番の人気の秘密。
そんなバリヒンドゥー教は一年中といっても過言ではないほど沢山のお祭りがありますが、その中でも、バリヒンドゥー教にとって重要な大きなお祭りを5つ紹介させていただきます。
(目次)
ニュピ
ニュピはバリヒンドゥー教にとって、最も重要なお祭りになります。
ニュピはバリヒンドゥー教で使用されるサカ暦の新年にあたります。この日、バリヒンドゥー教徒は断食と瞑想をして過ごすことが本来の過ごし方になります。現在は断食と瞑想をして過ごす人は少ないですが、バリ島全棟で電気、火の使用が禁止され、あらゆる活動も行ってはいけない日にの為、島中の電気もインターネットも使用できなくなります。
バリヒンドゥー教徒でない場合は、とても不便な1日になりますが、世界中のどこにもこのように、電気を使えなくする場所はなく、バリ島でしか体験ができない、とても貴重な1日です。そして、この日の夜は天の川が肉眼でもはっきりと見えるほど、きれいな星空を見ることができます。
ニュピの前日には悪霊を追い払う儀式として、オゴオゴと呼ばれる、悪霊を模して作った山車が練り歩きます。このオゴオゴは宗教単位のバンジャール毎に作られます。バリヒンドゥー教ではニュピの前日に大きな音を立て、悪霊を各家から追い出した後、悪霊に見立てたオゴオゴが道路を練り歩くことによって、悪霊がオゴオゴに移り、最後にオゴオゴを燃やすことにより、地上の悪例を払い、翌日のニュピを迎えます。
オゴオゴはバリ人男性が作成します。オゴオゴが上手に繰るくことができる大人の男性は、バリの男の子達の憧れの存在!各地でコンテストが行われるほど、子供も大人もオゴオゴにはみんな夢中です!
ガルンガン
ガルンガンはウク暦の210日に一度の火、水、木曜日に巡ってきます。
善が悪に勝った日とされていて、その感謝の意味も含め、ご先祖様に感謝をする日とされています。
ガルンガンは日本でいうところの迎え盆のような日になります。お祭りはガンルンガン当日の前後3日間になります。
ガルンガン前日はプナンパハンと呼ばれ、この日は朝から豚の丸焼きのバビグリンを作ったり、ラワールというお祭りの料理を作ります。お祭りの為の食事は男性の仕事になります。また、ガルンガン前日までに各家庭の前に大きな竹を装飾したペンジョールというものを飾ります。このペンジョールには諸説ありますが、先祖の魂が迷わずにその家に帰って来れるよう飾るという説がなんとなくしっくりきますね。このペンジョールを作るのも男性の仕事になります。
バリ島では毎日お祈りをするときにお供え物をしますが、毎日のお供え物や特別なお祭りにお供えするお供え物を作るのは女性の仕事になります。
ガルンガンの前日までは忙しく準備をして、ガルンガン当日は各家庭のお寺や近所のお寺にお祈りをして過ごします。
翌日はマニスガンルンガンと呼ばれ、親族を訪問してお祈りをし、前日にお供えしたお供え物を食べたりして、楽しくすごします。
クニンガン
ガルンガンから10日後の土曜日のお祭りがクニンガンになります。
クニンガンは改めてより件名な人生を送ることを誓う日です。
ガルンガンに帰ってきたご先祖様や神様はクニンガンの正午に帰ってしまうと考えられているので、クニンガンの日のお祈りは午前中済ませなくていけないとされています。そのため、クニンガン当日の朝はみんな慌ただしくしています。
クニンガンの前日もプナンパハンと呼ばれ、お祭りの料理サテなどを男性が作り、女性は翌日のお供え物を作って過ごします。ガルンガンで作るお祭りのお料理バビグリンは先祖をお迎えするためのお料理なので、クニンガンでは作らないそうです。
そして、お供え物のココナッツの葉っぱなどで作る飾りもガルンガンとクニンガンでは形が違うものになりますので、ガルンガンもクニンガンもバリヒンドゥー教徒は大忙しですね。
また、ガルンガンとクニンガンの期間中はバロンバンクンと呼ばれる、子供たちが踊る小さなイノシシのバロンが町中を練り歩き、お小遣いをもらって歩きます。このバロンバンクンは子供たちにとっては、観る方も踊る方もとっても楽しみ。こうやって、子供たちがバリヒンドゥー教に親しんでいく姿も微笑ましいですね。
パガルウェシ
パガルウェシはパガル=柵、ウェシ=鉄という意味があり、鉄の柵のように強固な精神を願い祈りを捧げ、この世が平和で平穏なバランスが保たれ、世界の調和が神によって守られるように、と供物を捧げます。
お祈りは最初に家のお寺でお祈りを行い、その後に村のお寺などへ行き、お祈りを行います。
パガルウェシの日にお祈りを捧げる更に深い意味は、真の教師として神を崇拝することで、人々が神に対して無知を放棄し、真の聖さと知識で満たされるようにする必要があることを意味するそうです。なかなか深い意味のある日ですね。実際にこの境地に達するのは難しいですが、こういった気持ちを忘れないようにする大切な日なんですね。
バリヒンドゥ教ではガルンガン、クニンガンの次に大事なお祭りとされていますが、特に、バリ島のシンガラジャ地方ではパガルウェシはガルンガンと同じくらい、またはそれ以上に盛大にお祭りを行います。
サラスワティ
知識はバリヒンドゥーの人々にとってはとても重要で、この日は感謝と学問と芸術の向上を願い、女神サラスワティにお祈りを捧げる日になります。
女神サラスワティの名前は、流れを意味するサラスと女性を意味するワティに由来しています。サラスワティとは知識の象徴で、その成長の流れは川のようなものであり、知識は美しい女性のように非常に興味深いもの。とされているそうです。
知識の女神サラスワティは4つの美しい手を持ち、女性を象徴する水連に囲まれた白鳥に乗り、人々に知識は美しい女性のようであることを伝えているそうです。
サラスワティの手のヤシの葉(ロンタル)の化学や知識の源のバリ島の伝統的な本を、知識を象徴する108個のヒンズー教の数珠でできたチェーンは、終わりのない永遠のライフサイクルを、文化の成長を通じて科学が発展することぼ象徴のギターを持っています。白鳥は慎重さの象徴で、人の知識は善悪を区別することができ、蓮の花は聖さの象徴で、バリヒンドゥー教では最も神聖な花とされています。
ユニークなのは、この日、子供たちは学校が休みになり、教科書などの本にもお供え物を置き、お祈りをするので、強をしなくても良い日になっています。ただし、子供たちは学校に行き、学校の女神サラスワティへもお祈りを捧げます。
この学問と芸術の女神サラスワティは日本は弁才天様として親しまれている神様です。